2024年5         

微妙なバランス


雪柳とレンギョウがちょうど良い


棚下で見つけた丹頂草


マツバタイゲキとコナラの芽出し

 

4月のはじめ 黒磯の街中にある“おいしい薬膳白牡丹 分室” で
陶と植物の二人展をさせていただいた。
2年に一度の“Oh 散歩” と題しての展覧会も 3回目となった。
今回も テーマに添った春らしい色彩と やさしい味わいの薬膳プレートを
ご用意して下さった。
白い壁面と 中央の大きなテーブルのシンプルな空間。
回を重ねるごとに 勝手も慣れてきて 心地が良い。
展示した植物は 大王松、ヘゴ板に着生した赤松、32年一緒のタニワタリ、
それから 会期に合わせたように咲き出した 雪柳やレンギョウの根洗い。
早春の寒さで開花が遅れたことが かえって良いタイミングを
もたらしてくれた。
クラゲをモチーフにした陶の新作も 好評だった。
春 のどかな展示になったと思う。

来客がとぎれた時のために いつも本を持参している。
今回は アメリカ短編集 24 を 用意。
色あせてしまった昔の本だ。
表紙の扉のところに えんぴつで「昭和49年11月26日 読み終える」
と 記してあった。19才の時に読んでいたという訳である。
ジェームズ・ボールドウィン キャサリン・アン・ポーター 
サリンジャーなど 24名の作家たちの短編が収められている。
どれも 読みごたえのある作品だ。
読んでみて 覚えているものもあれば 全く忘れてしまっているのもあるが
再読しながら 当時の自分がなつかしく思い出されるのだった。
ボールドウィンの「荒野より出でよ」 を 読んでいたら ページの間に
クッキーの小さなかけらを見つけた。
なんのクッキーだったのだろう。19才の頃だから 泉屋あるいは
ユーハイムとかだろうか。
50年近く一緒にしまわれていたのが妙で おかしかった。

丹頂草やツルニチニチソウの花、ビックリグミの小さなアイボリーの
花も・・・。
草も木も あちらから こちらから 次々にはじまっている。
Come in Please
連れて行かれるままに 春を満喫したい。

 

2024年4月13日 記す   加藤 文子

 

あこがれてしまう

 

ひとコマ ひとコト  アーカイヴ

 

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